施設長挨拶 |
ご挨拶 山口大学遺伝子実験施設のホームページをご覧いただきありがとうございます。 平成14年4月に山口大学医学部第1生理学講座から着任して以来、2年半が経とうとしています。その間に総合科学実験センターへの統合、平成16年4月から施設長の併任、田淵助手の転任、秋助手の着任など組織、人事の両方で大きな変化がありました。 私自身このポストで研究の成果を上げる意気込みで着任してきましたが、新たな業務でのとまどいやマニュアル作りなどに追われ、論文の業績として満足な成果を上げることができませんでした。しかし、遺伝子実験施設の組織として確実に進歩してきたと実感しています。 前任者であります岸先生(現鹿児島大学歯学部教授)が確立されましたDNAシークエンスサービスやコンピテントセル供給サービスが学内で着実に認知され、年々受託件数は増加しています。またABI3100シークンサーの導入はデータの信頼性の高さと解析速度に大きく貢献しました。この機器であらたにスタートしましたフラグメント解析も受託件数は急増しております。 この4月からスタートさせましたオリゴDNA合成サービスは高純度のDNAを大幅に安価で供給することができ、当初予想の5倍の受注を受けております。この業務はグライナー、ファスマック両社のご協力のおかげです。 学長裁量経費でスタートさせました遺伝子・細胞バンクは、いくつか問題を抱え十分な実績を上げていませんが、当施設で作製したベクターやクローニングした遺伝子は年々増加しており、現在供給可能な遺伝子、ベクターおよび細胞は100種類を超えています。 また社会貢献事業の一環として山口県内教員や高校生を対象にした遺伝子操作実習を毎年行っております。この実習でも毎回30名以上の参加者があり大変好評で研修会後も継続して遺伝子操作を体験する高校生もいます。 また、設備面でも多くの方々のご協力のおかげで、この2年半にDNAアレイスキャナー、DNAシークエンサー(ABI3100)、顕微鏡カルシウム測定装置(AquaCosmos)、リアルタイム3次元倒立顕微鏡、グラジエントPCR、自動DNA抽出装置(MagNaPure)、細胞破砕装置など多くの機器を導入することができました。 学内サーバーを利用した解析データの受け渡しやメールマガジンおよびアラートの発行などもスタートしており、学内の多くのユーザーの利便性向上にも貢献しています。 現在、本学生命科学実験施設と共同でRNAiトランジェニックマウスの作製や九州大学、熊本大学のご協力いただきKOマウスの作製に取り組み、試行錯誤をしながら基本的な技術は確立されてきたことを実感しています。また、香川大学やジャスコインターナショナル社のご協力のもと、Q-Tof-Ms-Msによるプロテオーム解析も着実にデータが出ています。 遺伝子改変動物の供給やプロテオーム解析の受託も近い将来スタートさせたいと考えております。 さらに、今後は、学内サーバーから遺伝子解析ソフトの提供やバイオ図書館を作りソフト面でも研究推進に貢献します。ハード面でも医学側入り口を設け基礎棟と直結させる計画やRI室を遺伝子組換え動物実験室かプロテオーム解析室する構想もあります。 遺伝子実験施設は今後も常に高いレベルで改革を続け、皆さんの研究に貢献したいと考えています。どうぞこれからもご支援をよろしくお願いいたします。 遺伝子実験施設長 水上洋一 |